●アレルギー性鼻炎の発症
アレルギーの原因となる抗原が鼻の粘膜に付着すると、粘膜下の血管が拡張し鼻づまりがおこります。また、知覚神経を介して刺激が脳に伝達されくしゃみが起こります。さらに、脳から鼻水を出す命令が分泌神経に伝わって粘膜から鼻水が分泌されます。
アレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)の種類によって2つに分類されます。
1.通年性アレルギー性鼻炎
アレルゲンが一年中あるので、症状も一年中あります。
主なアレルゲンは、ダニ・家の中のちり(ハウスダスト等)・ゴキブリなどの昆虫、ペットの毛・フケなどです。
喘息、アトピー性皮膚炎などを合併することがあります。
2.季節性アレルギー性鼻炎(=花粉症)
原因となる花粉の飛ぶ季節にだけ症状があります。日本では、約60種類の植物により花粉症を引き起こすと報告されています。
主なアレルゲンは、スギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカバなどです。
目の症状(かゆみ、なみだ、充血など)を
伴う場合が多く、その他にノドのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が現れることがあります。
さらに、シラカバ、ハンノキ、イネ科花粉症などの人がある果物や野菜を食べると、口の中がかゆくなり、はれたりする「口腔アレルギー症候群」という症状もあります。
最近、通年性アレルギー性鼻炎と花粉症の両方に悩む人や、複数の花粉に反応する人も増えており、ほぼ一年中くしゃみ・鼻みず・鼻づまりに悩まされるという人も少なくありません。
●主な症状
通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎のどちらも症状としてはほぼ同じで、カゼの症状とよく似ています。
1.くしゃみ
7〜8回、ときには十数回連続してくしゃみがでます。
2.サラサラした鼻水
カゼの場合、最初はサラサラした鼻水でも、次第にドロッとした鼻汁になります。
3.頑固な鼻づまり
ひどいときには口で呼吸するようになり、よく眠れない、のどが乾くなどの症状があらわれることも。
アレルギー性鼻炎があると、鼻粘膜の上でアレルギー反応が起こります。この結果、鼻粘膜が腫脹し、鼻の穴の空気の通りが悪くなり、鼻づまりを起こします。薬は、くしゃみ・鼻水などの症状を抑えますが、この粘膜の腫脹には効果がありません。
こういった場合、以前は鼻の粘膜をメスで切って腫脹を取っていたのですが、この方法では出血しますので、入院が必要でした。
近年、メスの替わりにレーザーを用いて鼻粘膜を焼灼する手術が行われるようになりました。鼻の中にガーゼを入れて表面のみを麻酔し、レーザーで焼灼するもので、出血はほとんどなく入院は不要です。
痛みもほとんどなく、片側10分くらい、両方で20分程度の手術です。手術当日から、入浴などの日常生活に特に制約はありません。手術当日のみ飲酒しないほうが良い、一週間程度水泳をしないほうが良いといった程度です。
初回手術で60%程度の効果がありますが、一回で不十分な場合はもう一回追加します。
但し、粘膜が再生する際に再び腫脹を起こすことがあり、何年か後に再生した鼻粘膜が御自分のアレルギーで再び感作され再発するおそれがあります。この場合には、もう一度手術を行います。前述したように出血もなく、入院の必要もない簡単な手術ですので、数年に一度することで症状が軽くなります。
手術後、1〜2週間は「カサブタ」がついて、鼻づまりがひどくなる事がありますので、しばらくは通院して処置、投薬を受けてください。「カサブタ」が取れれば通院不要になります。
副作用はほとんどなく、比較的簡単に受けられる手術なので、鼻づまりでお悩みの方は、遠慮なくご相談ください。
術創がおちつき効果がはっきりするのに1〜2ヶ月かかりますので、来年2月からの花粉症(スギ、イネ、ヒノキ)に対しては、年内の手術が望まれます。手術は基本的に中学生以上の方なら可能です。(動かないことが出来る方)
手術ご希望の方はお申し出ください。手術の費用は健康保険の3割負担の方で、両側約6千円です。
※予約が必要ですので院長にご相談ください。
●慢性中耳炎
反復的あるいは持続的に耳から膿が流れだし、難聴を伴う中耳を中心とした粘膜や骨の慢性炎症を慢性中耳炎としています。
大きく二つに分類され、慢性単純性中耳炎と真珠腫性中耳炎とがあります。
慢性単純性中耳炎は、鼓膜の中央部の鼓膜緊張部に穴があく中耳腔の炎症です。
真珠腫性中耳炎は、鼓膜の上方や辺縁に穴があき、中耳腔の周りの骨の病変を伴い大きな合併症を引き起こす危険性があります。
●症状
1.耳漏(耳から膿などが流れ出すこと)
耳からの分泌物(耳漏)を繰り返すことが多い。
2.難聴
慢性単純性中耳炎の場合、鼓膜に穴があくことによる伝音性難聴であることが多いが、経過とともに内耳の聞こえの神経が障害され、感音性難聴を伴うこともある。
3.めまい・耳鳴り
慢性中耳炎に伴う内耳機能障害により、耳鳴り、めまいなどが起こりうる。特に真珠腫性中耳炎では起こりやすい。
●滲出性中耳炎とは…
中耳腔に液(滲出液)がたまる中耳炎です。弱い毒性の細菌や菌の内毒素によって起こり、幼児の難聴の最大の原因です。
病気が起こる要因として、鼻かぜや副鼻腔炎などの上気道炎により鼻から細菌が中耳腔に感染することに加えて、耳と鼻をつなぐ耳菅の機能異常も関与しています。
特に幼児では、急性中耳炎の後、あるいは慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿)に伴って発症し易いといわれています。鼻が悪いために、鼻すすりの習慣が滲出性中耳炎の発症にかかわっています。また十分な治療がなされない場合、大人になって慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎の原因ともなります。
●滲出性中耳炎に関する病気
滲出性中耳炎の発症に影響する病気として、アデノイド増殖症と慢性副鼻腔炎(蓄膿症)があります。
アデノイドは鼻の奥に存在する扁桃組織ですが、3歳から6歳ぐらいまでに肥大して大きくなります。そして、耳と鼻をつなぐ耳菅を塞いだり、鼻づまりにより鼻炎や副鼻腔炎を起こすため、滲出性中耳炎が生じます。
また、慢性副鼻腔炎でも細菌を含んだ膿がのどに流れたり、鼻すすりにより細菌が中耳腔に入りやすくなり、滲出性中耳炎が発症します。従って、滲出性中耳炎では、これらの病気が背景として存在するかという検査(レントゲン検査)が必要であり、その治療が重要となります。
●症状
強い毒性の細菌による急性中耳炎では、発熱や痛みを伴うことが多いですが、滲出性中耳炎では炎症反応が弱いために発熱、痛みを生じることは余りありません。主な症状は、中耳腔の滲出液のために鼓膜の振動が障害されて起こる難聴、耳の詰まった感じなどです。幼児の難聴の原因として、最も頻度の高い病気ですが、症状を訴えることのできない年齢であることから、難聴の存在に周りで気づくことが必要です。
●鼻の構造
鼻腔(鼻の中)には左右の鼻のしきいである鼻中隔や下甲介、中甲介といった棚状の突起が存在します。鼻腔の周囲には上顎洞・篩骨洞・蝶形骨洞という空洞があり、これらの空洞を総称して副鼻腔と呼びます。正常ではこれらの副鼻腔は薄い粘膜で覆われていて細い穴で鼻腔に通じています。
●副鼻腔炎の原因
風邪などのウィルスや細菌の感染によって鼻腔に炎症が起こると、鼻腔とつながる副鼻腔にも炎症が及びます。この状態が急性の副鼻腔炎ですが、炎症が長引いた場合には粘膜が腫れ上がって鼻腔との交通路をふさいでしまい、炎症が治りにくくなるという悪循環におちいります。この状態が慢性副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症です。この他にも、アレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症、中甲介蜂巣などの骨構造の異常も悪化因子となり得ます。
●症状
1.鼻水
急性副鼻腔炎の場合は青っぱなのような膿の混じった鼻汁がいく見られ、慢性期には白い粘調な鼻水が多く見られます。
2.後鼻漏
副鼻腔炎の場合には鼻水が前に出るだけではなく、のどの方に流れて咽頭炎や気管支炎の原因になることもあります。
3.鼻づまり
炎症で粘膜がポリープ状になったりすると空気の通るすきまが狭くなり鼻づまりが起こります。また、鼻中隔の弯曲やアレルギー性鼻炎の合併も鼻づまりの原因となります。
4.痛み
急性の副鼻腔炎によく認められる症状ですが、ほっぺたや両眼の間の痛みや頭痛などが起こることがあります。眼の近くの副鼻腔に高度の炎症が起こると眼痛や視力障害をきたすこともあります。
5.嗅覚障害
匂いを感じる嗅裂部の粘膜が腫れたりすると嗅覚障害が起こることがあります。治療が遅れると改善しにくいこともしばしばあります。
※当院では慢性副鼻腔炎の鼻茸(ポリープ)に対し内視鏡下に日帰り手術を施行しております。
寝ているときに呼吸が止まり、大きないびきを繰り返す病気です。
日本の中高年の約6割もの人がいびきをかき、そのうちの約10人に1人が睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるといわれています。
日中の強い眠気、集中力の低下やイライラ、抑うつ、交通事故や労働災害、仕事や学業の能率低下や高血圧、不整脈、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞等の循環器疾患、夜間突発死との関連も指摘され、極めて重大な社会問題を引き起こす病気です。
●睡眠時無呼吸検査
簡易の検査機器をお持ち帰りいただき、ご家庭で睡眠時に無呼吸の検査が行えます。
無呼吸の方は呼吸の空気を送り込む機器(CPAP)を装着すると昼間の眠気が改善されます。